鎌倉彫 漆工芸 

2004.6.23〜27 


鎌倉彫漆工芸
  鈴木 明 
(鎌倉市在住)   
                   
■展示内容
高級品のイメージもあるうるしですが、日常使いとしての楽しみを広げられないか考えてみました。伝統的な鎌倉彫りのイメージを離れ、シンプルで飽きのこないデザインを多く集めました。ひとりの作家が創りだす様々なかたち、風合い、色。漆という素材の広がりを感じることができました。その中で最も伝統的な方法で作られた「梅文 三段重」は、実物の展示に加えて、木地としての彫り上がりからの塗り工程をパネルにまとめて展示しました。表面からは分からない、いくつもの複雑な技を経て完成品が出来上がっていることをお伝えすることができたようです。
■作家略歴
1955 秋田県に生まれる
1995 鎌倉彫りの三月一彦氏に出会い漆工芸の道に入る
1999 鎌倉彫を主に漆工房を始める。
    漆塗りのほか住宅・店舗の漆施工、漆器の修理なども手がける。
■ミニレクチャー
うるしは意外に丈夫。だからこそ古くから今もなを実用品として生き残っている。もったいながらずに、どんどん日常生活に使ってほしいということです。乾燥が苦手なので毎日汁ものを注いで湿り気を与えたほうがむしろよいとのことでした。作者が同時期に作って使い込んだお椀と、しまいこんでいたお椀を、実際手にとって比較しましたが、毎日使っていたお椀の方が断然、艶もあり色の深みも増していました。これには集まった人々も一同驚きの声をあげていました。
■作家の感想
使い込まれた漆器とそうでないものの違いが分かっていただけるようにお話しました。漆がもっともっと道具として、調度、建具として楽しんでいただけるといいですね。CoZAの間という気持ちのいい空間に置かれて漆器も映えていたようです.いつかまたお会いしたいと思っています。